愛車の点検の間、暇だったので試乗車として入ってきたばかりのCB1000Rに試乗してみた。
店内に展示してあったCB1000Rを見るととてもコンパクトに見える。600CCクラスぐらいの車格感だ。店長にこれ小さいですね~、などと話すと「乗ってみます?」「はい!」ということで即試乗してみることと相成った。
店長さんにパワーモードの切り替え方法などを教えてもらってからいざ出発。またがった感じは現愛車のCBR600RRと大差なく、押し引きした感じの取り回し感はほぼ同じ。初期バネが柔らかく、またがっただけでフワリ、と車体が沈み込むのはいい感じ。
シートも細身で脚をまっすぐおろすことができ、CB400やCB1100のようなシートが幅広過ぎて太ももの内側が圧迫されたり、股関節が痛くなったりすることはない。シートそのものも低反発素材で作ってあるらしくとてもよいまたがり心地だ。
久しぶりの背筋垂直なネイキッド乗車フォームに戸惑いつつ出発。
ハンドルが高くて幅広でとても近いので戸惑いつつ大岩から山道へ向かう。車列が途絶えて前が空いてきたところ飛ばし気味に走ってみる。CBRでよくやる突っ込み1番、電話は2番的なコーナーの飛び込み、そして立ち上がり方をするとOEMのタイヤが良くないのか、はたまた空気圧が高いのかコーナー立ち上がりで簡単にリアタイヤが空転する。そういえばネイキッドはこんなに前に荷重を掛けなくてリアステアで乗るんだった、と思い出してコーナーからの立ち上がりではできるだけ後ろに体重を掛けて、リーンアウト気味に走るよう心がけていくとスムーズに走れた。それでもSS的走り方が身についているせいか、タイトコーナーでのターンインではSSのつもりで車体を寝かせると勝手にハンドルが切れ込みすぎのきらいがある。こんなにパワーがあるオートバイのコーナーリングを舵角主体で曲がらせるのはどうかと思うが、ネイキッドスタイルだとこうなんだろうか。
エンジンは優秀。レスポンスもパワー感も素晴らしい。ドンツキ?それっていつの時代の話?という世界だ。緩斜面の上りでアクセル大きく開けていくとみるみるフロントの接地感が希薄になっていくので半ば上からハンドルを押さえつけながらアクセルを開ける感じ。
平滑でないアスファルト路面でブレーキをガンと効かせても車体がぶれることなくスピードダウンする。ツインスパーの強靭なフレームを見慣れている者にとってはモノバックボーンフレームってどうよ、という感があったのだが少なくとも公道上では問題なさそうだ。
エンジンもだが、クイックシフターのデキが素晴らしい。アップもダウンもクラッチ握らずにシフトチェンジできるのだが、とても精度良い機械だなぁと思った。
お店に帰還後、クイックシフターの話を聞いてみるとSC77のクイックシフターの方がサーキットで使えるように作ってあるのかもっとシャープらしい。リアステアな乗り方でないとうまく乗れなかった話もしたが、もともとCB1000Rはそういう乗り方をする人達のために作ってあるとのこと。前輪一本で曲がっていく乗り方をしたいならばCBRをどうぞ、ということらしい。
車体もエンジンもメカも素晴らしかったがタイヤだけはいただけない。空気圧をもっと下げるか、とっととピレリのええタイヤに変えたほうがよいかも。ハンドルを切って舵角で曲がるようになっているのがなんとも私にはあわなかったがクイックシフターのデキも含めて、ホンダのリッターバイクの作り、というものが垣間見れたのは良かった。乗車フォーム・乗り方がもはやSSバイクしか受け付けないようになっているので、次もSSバイク買うしかないな。