へび

このところよくシマヘビを見かける。車にひかれて死んでるのもいれば、道路でひなたびっこしてる

のもいる。なぜかしまへびばっかりだけど。私が子供の頃良く捕まえて遊んでいたのはヤマカガシが多かった。

 あまり知られていないことかも知れないが、へびはとても人に馴れやすい生き物である。捕まえて逃げられないように頭をしっかり持って捕まえていると一時間もすればすっかり人に馴れてしまい、手を離しても逃げないでそのまま手にからみついたままでいる。

 最もこれには種類差があり、ヤマカガシとアオダイショウは1時間ぐらいで人に馴れたがシマヘビはなかなかなつかなかった。手を離すと他のヘビと違いすぐに逃げようとするのだ。シマヘビは中でも逃げ足が速く捕まえるのに難儀した。

 まったく違っていたのが毒ヘビで知られているマムシである。

 何せ、人を見ても逃げないのだ。マムシ以外のヘビは人が近づくといちもくさんに草むらや軒下へ逃げようとするのだが、マムシだけは逃げようとせずに何やらトグロを巻いてそこにいるのだ。

 私は最初にマムシを捕まえた時はそれと知らずに捕まえたのだが、何時間たっても馴れる雰囲気がせずおかしいなと思いその手にした獲物をシゲシゲと見つめているとほっぺたに相当する口の裂け目の終わり際が妙にはれぼったい。

 まさかと思って木の枝で無理矢理口をこじ開けて見るとりっぱなキバが..


 あわてて放り出したのは言うまでもない。

 最近の子供達は虫やトカゲのたぐいでも怖がっているほどで、ましてやヘビなど相手にしないようだ。かくしてヘビ達は平和な毎日を過ごせるというわけらしく、先日372号と477号の分岐の橋のたもとで小休止していた時に川の護岸壁の上にひなたぼっこしているシマヘビがいた。

 我々がそばにいても逃げずにのんびりと5月の陽光を楽しんでいた。あたりには5月の陽気が満ちあふれていた。