野田 知佑 - 新・放浪記

私の数少ない敬愛するエッセイスト、ツーリストである野田 知佑氏の青年期の回顧録

氏の作品は読みやすくどれもおすすめだが、やはり80年代までの油が一番のっている頃の作品が一番おもしろく、中でもこの自身の回顧録はオススメ。

東京の記者時代のゆううつさを訴える部分はまさに大阪転勤前の私の気持ちを代弁しており、何度も何度も当時は読み返したものだ。

出版されてしばらく経つ本であるが、これを読んで共感される方は以外と多いのではないだろうか、と思う。

ところ変わり時代は過ぎて、再び大阪に戻り山のそばに住んで「玄関開けたら2分で峠」という恵まれた環境になった現在、当時の週末を身をよじりながら待っていた当時とは隔世の感が我ながらあるなあ。

旅へ―新・放浪記〈1〉 (文春文庫)

旅へ―新・放浪記〈1〉 (文春文庫)