片岡義男 - ときには星の下で眠る

司馬遼太郎2作を読み終えた後、お口直しに読んでいたのがこれ。

読み終わった「翔ぶが如く」と「竜馬がゆく」を本棚にしまっていると奥にしまってあったのを発見し久しぶりに読んでみた。

オートバイ仲間が久しぶりに帰郷し再会する物語。彼らの想い出の中に蘇る亡くなった3人のエピソードと深まりゆく秋の風景描写を織り交ぜつつストーリは進んでいく。写実的描写がうまく読んでいると秋の風景が目に浮かぶようだ。物語の舞台は昭和50年代に開通した長野のビーナスライン諏訪湖周辺、そしてレースの舞台となっているサーキットは筑波サーキットと思われる。

片岡義男のオートバイ小説は季節感の描写がうまくこれを読んでバイクに乗りたくなった方も多かったことだろう。私もそんなうちの一人だった。今この本は絶版で古本屋でしか入手できないと思われるが、ちまたにこんな素敵なオートバイ小説があふれていれば今のオートバイを巡る環境ももっと違ったものになっていたかもしれない。

今自転車で私がやっている遊びもどちらかというとオートバイでやる遊びを自転車に置き換えたものかもしれないなと思いつつ、この季節感あふれた小説を読んでいると無性に外へ遊びに行きたくなるのだ。

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