もう牛を食べても安心か

もう牛を食べても安心か (文春新書)

もう牛を食べても安心か (文春新書)

もう牛を食べても安心かを読んだ。米国からの輸入再開が話題になっているところでタイムリーな本である。

 もともと遺伝子なしのタンパク質だけで増える、というのが妙な話だと思っていたのだがこの本を読むと異常プリオンが原因とされている狂牛病の真の病原体の本体についてはまったく分かっていないことがよく分かる。スクレイピー病原体がDNAの断片より小さいのではないか?という話を読むかぎりまったく新しい病原体である可能性が高いのだろうかと思わせる。

 

 このように真因の分かっていないこの狂牛病だが、元々草食動物である牛にたんぱく食をさせるばかりか同類を共食い(肉骨粉を餌にまぜる)させることがそもそも良くないのではないか?という提言はニューギニアの食人が原因とされるクールー病の部分を読んでもそのとおりだなあ、と思わせるものがある。

 自然界の摂理を曲げるとろくなことにはならないということで。