映画「移動都市/モータルエンジン」に続いてそのまま映画「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」を観た。
こちらは評判が良かったので期待しながら観ていたのだが、こちらの方は残念ながら期待はずれだった。登場人物たちのパーソナリティが平滑で深みやひねりもなく、貧困で無教養で直情的だというだけでは面白みが持続するわけでもなく、終始そのままだったので飽きそうだった。時折挿入されるインタビューシーンが実際の映像に近いようなので、おそらく描かれていた彼らは事実あのままのパーソナリティだったのだろうけど、あまりに芸がなさすぎる。スコセッシ監督なら嘘でももう少しひねりをいれてきそうだ。
時折劇中の人物達がカメラ目線になったりするが、これもドラマ「フリーバッグ」ほどのキレがなく、この演出を使うのならもっとコメディ色を強めればよかったのになぁと感じた。
事実に引っ張られ過ぎてあやうく凡作になるところを救ったのはひとえにマーゴット・ロビーのおかげだろう。
彼女を含め、登場人物たちは実際の人物によく似ていた点は評価したい。
ただ、80年代の楽曲を挿入していた劇中での挿入歌のセンスはいただけない。ジェームズ・ガン監督の爪の垢でも煎じて飲むべきだ。
女子フィギュア史上最もスキャンダラスな事件『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』予告編