去年あたりから何故かJ・ミラーとM・ビニャーレスの予選走行中に心拍数表示がされるようになったのだが、とても興味深い。
下の画像はオーストリアGPの予選での両者の心拍数表示だ。
A nice chilled Friday afternoon for @mvkoficial12? 😂
— MotoGP™🏁 (@MotoGP) 2020年8月21日
Certainly compared to @jackmilleraus anyway, check the heart rates!!! 💓#AustrianGP 🏁 pic.twitter.com/dwbLqyOcfJ
両者ともアタック中の状態で、ミラーが160拍強、ビニャーレスが120拍ぐらい。
この120拍前後の心拍数、というのは自転車だと流して走ってる時ぐらいの心拍数で、ミラーの心拍数だと自転車でも競技中での平均レベルの心拍数だ。
ミラーは普通の数字だと思うのだが、ビニャーレスの心拍数が恐ろしく低い。
このことについて、ミラーが語ってくれてた記事があったので引用する。
MotoGP heart rate: 'Vinales has bigger stroke, less rpm!' - Miller
https://www.crash.net/motogp/news/943408/1/heart-rate-vinales-has-bigger-stroke-less-rpm-miller
より。
ミラー:「自転車でトレーニングしている場合、私の心拍数は175〜180だと思います。私が自転車に乗った中で一番高かったのは188です。
モトクロスバイクでの練習ではそれが172前後になります。これは、25分のモーターバイクのトレーニングでは通常の平均値です。ビニャーレスの心臓はストロークが大きく、回転数が少ないようです。まるで「蛇」の心臓であるかのようですね(笑)。
といった感じで、仲の良いミラーから見ても、ビニャーレスの心拍数の低さは驚異的であるようだ。
昔、2012年にペナルティを食らってM・マルケスがMoto2のレースで最後尾からスタートしてごぼう抜きしてトップにたったレースがあったが、あの時でも最高値は190拍を超えてて、平均すると160拍を超えていた。
M・マルケスは実はフォジカル面ではあまり強くなくて、瞬発力と努力でカバーしている、という記事を読んだことがあるが、ビニャーレスのフィジカル、とりわけ心拍、循環器系の強さは卓越したものがあるのだろう。
昔のF1レースでも同じ事をしてことがあって、1981年のモナコGPにてフェラーリのドライバー、G・ビルニューブとD・ピローニが本番レース中に心拍数を計測してたことがあったが、レース中はピローニが180拍超えで推移し、一時的に190拍超えを記録してたのに対し、G・ビルニューブは120拍~160拍ぐらいで走っていたと思う。ちなみに、このモナコのレースで優勝したのはG・ビルニューブだ。
走りのスタイルと心拍数表示は一致しない、といういい例だと思う。