野田さんの紀行記の中で最も好きなのがこれ。
ロング・リバーツーリングの中でも初期の作品だけれど、単独行ならではの緊張感と寂寞とした荒涼感が伝わってきてなかなかよい。
この後の氏の作品で一番有名だと思われる三年がかりでアラスカのユーコン川を下った「ユーコン漂流」の頃はガクという連れ合いも増えたせいかだいぶ余裕を感じさせる内容になっているが、この「北極海へ」へで下っているマッケンジー川は大変だったようである。
ひたすら純化していくソロ・ツーリングの醍醐味がこの本にはあふれている。こんな感じの旅をしてみたいものだ。
北極海へ (文春文庫)