マルコ・パンターニ―海賊(ピラータ)の生と死

半ば伝説と化しつつあるクライマー、マルコ・パンターニの生涯を描いた本が出たというので買って読んでみた。


全然良くない。

ランスやポール・キメイジの自伝とは違い、レースでの描写がとても雑。たとえるならば、ゲーム内容にまったく興味のない野球ファンが書いた野球に関する本、といえばいいのだろうか、ディテールがまるでない。おまけに事実をかなりゆがめて書いているところが多々ある。たとえば、モンバントゥー後のランスのインタビューが第14ステージ後のように書いてあったり、与太話にすぎない「アクトビジョン」の話を取り上げてあったりと贔屓の贔屓倒しやランスに対する異常に悪意に満ちた偏向した内容になっていたのでもしやと思い筆者の出身を確かめると案の定、フランス人だった(笑)。

モータースポーツでもサイクルレースでも、フランス人のジャーナリストでおもしろい書き手、優れた書き手は皆無なのだ。

もし。パンターニの生涯を知りたい、と思う方がいらっしゃったら、この本はお薦めしない。自転車乗りだとなおさらだ。


どうしても、という方がいらっしゃったら、チクリスティ (Numero.1) の方かレジェンド・オブ・ツール・ド・フランス 伝説のイタリア人ロードレーサーを鑑賞されることをオススメする。

チクリスティ (Numero.1)

チクリスティ (Numero.1)